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2007/11/09 (Fri) 23:12
分離発注方式について考える その4

CMのありかたについては以下2通りの考え方があると思います。

○ 設計事務所・CM業者の工務店化

建設業界の不透明な見積りに忸怩たる思いを抱いていた設計事務所の多くがCMに取り組みました。
設計事務所でも一定水準以上の専門工事会社を集めることが可能ですが、それらの専門工事会社を上手く機能させるためには有能な監督さんが欠かせない存在です。

しかし有能な監督さんがフリーでいることは殆どありません。

監督さんが独立して工務店を立ち上げたばかりですとか、会社に見切りを付けて工務店を捜しているなどの稀なケースに頼るのはCM業を執り行うには無責任としなければなりません。
やはり専属の監督が必要となりますが、経営基盤の弱い設計事務所が監督を常時確保するのは難しいところです。

このような設計事務所の実情の中で地元の老舗設計事務所は公共事業にも恵まれ比較的経営の安定している所が多く、請負業への進出も可能と思われます。
むしろ公共施設の設計も益々減ることを考えれますと、今のうちに認識を改めることが望まれます。

その為には自らの業務の範囲を設計のみに留めるという思想を改め、出来上がったものに対して責任をとる姿勢が必要になってきます。


○ 工務店自身によるCM方式の採用

以前に建設業界の雰囲気が変わりつつあると申し上げましたのは、すでに工務店自身が気付いていることを実感として持っているからです。

それはCMの精神を説明すれば、それに応じてくれる工務店とそうではない工務店とでは見積内容に明確な差となって表れます。

企業が営利を求めるのは当然ですが、自らの仕事に責任を持ちその対価として正当な報酬を請求することがCMの精神であり、その事に理解を示さない施主はおりません。

そういった企業姿勢が明確な工務店には、もはや相見積もりによる競争入札は不要と考えています。お施主さんの同意さえ得られれば計画の早期段階での共同作業が可能となります。
後戻りが無いということは、設計者や工務店からすれば余分な作業から開放され良い家づくりに専念できることとなり“良い家づくりをしたい”と望むお施主さんの利益につながることになります。

CM業者が瑕疵や保証に対して及び腰になっている現状を鑑みますと、以前から責任の所在を明確にして家づくりに臨んできた工務店がCMの精神を持ってくれる事が一番望ましい姿だと考えています。


一応、CMのことを考えるのは今回で終わります。

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2007/11/08 (Thu) 23:11
分離発注方式について考える その3

私がCMでうまく行かなかった原因のひとつに監督さんと職人さんたちとの関係が上手く行かなかったことが挙げられます。

一括請負の場合、監督さんもそれぞれの職人さんたちの性格や技能を弁えてますので円滑な現場管理が行なえます。取り合い部分などでの業者間の連絡や連携なども、気心が知れた関係ですので心配がいりません。

これに対してCMの場合、監督さんが職人さんたちそれぞれの性格や技量を弁えていない事から現場管理に支障をきたす恐れがあります。業者同士も“初顔合わせ”といった事情から連携に齟齬が出ることもあります。
また馴染みの監督から頼まれれば『しょうがないな〜』と言ってやってたような事も、領域を超えた仕事は施主との直接契約を盾に避ける事ができますので思わぬ追加工事が発生したりします。(予め予備費として計上するのが一般的ですが)

もう一点、私のCMでの失敗の原因は“看板”にあると思っています。
工務店は“看板の傷つくような仕事はしない!”という姿勢が表れるのですが、施主発注のCMの場合それが希薄であるように感じます。このことはCM業者の資質による部分が多い為、責任感を持ったCMrだったら問題は起こらなかったと考えています。

自らの設計の延長上にあることから設計事務所がCM業を行なっていることが多いのですが、設計監理と現場管理とはその職能に於いて、或いは職責に於いて全く別のものとしなければなりません。
はっきり言えば設計畑の人間に現場監督は出来ないということです。設計事務所の私が言うのも何ですが、設計者の人間性がおかしくても設計に多少の不具合があっても監督さんさえしっかりした方なら良い家づくりが出来ます。

※ 監督さんの良し悪しにについても日を改めて書いてみたいと思います。


■ 次回はCMのありかたについて考えてみます。

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2007/11/07 (Wed) 23:20
分離発注方式について考える その2

今回は分離発注方式(CM)のメリットとデメリット について考えて見ます。


分離発注方式(以下CMと呼びます)とは工務店一括請負と異なり、施主主導の下に各専門工事会社にそれぞれ発注をする方法です。

そのメリットは施主の意向が業者に伝わりやすく納得の家を建てられること。
不透明だったお金の流れを透明にして大幅にコストを抑えられることなどがあげられます。
また専門工事会社としても不当に低い単価での施工を押し付けられる事がなくなり健全な業界の構築が望めます。

しかし施主自身が専門工事会社と直接折衝して契約を結び、発注や現場管理(監理ではありません)するのはドダイ無理な話。

そこで発注代行業と呼ばれるCM業者と契約を結ぶことになります。
工事費の概ね15〜20%の業務報酬もが必要となりますが、従来の一括請負でも監督さんの人件費などは諸経費の中に計上されていることを考えますと当然必要な費用ではあります。

さて素晴らしい理念を持ったCMなのですが、まだまだ問題点を抱えているのが現状です。

従来の一括請負ですと工務店のレベルに応じた職人の確保が出来ているのですが、CMの場合、単価で業者を選定しますので施工能力に疑問のある専門工事会社と契約を締結してしまう恐れがあります。CMという性格上、現場が進行している段階で業者変更の要求が出来ません。
私がCMで失敗した原因の一つはこの業者のレベルに問題がありましたが、この事は日を改めて書きたいと思います。


■ 今日はここまで

  次回も引き続き分離発注方式(CM)のメリットとデメリットを考えてみます。

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2007/11/06 (Tue) 22:51
分離発注方式について考える その1

分離発注方式(CM)による家づくりを考えてみます。

工務店に見積りを依頼した場合、工務店は『施主用』と『実行予算用』の二つの見積作業を行ないます。数量を拾いながら各専門工事会社(大工さん屋根屋さん水道屋さんなど)から見積りを取り寄せます。


                                          ▲クリックで拡大します。


上の写真は専門工事会社から工務店宛てに提出された見積りですが、見積金額とNETの二つの数字があることが分かります。

多少の調整はしますが左側に書かれた数字が施主への提出用見積金額となり、右側のNETと書かれた数字が工務店の実行予算の金額となります。


                                          ▲クリックで拡大します。



写真の左側は実行予算、右側は施主用の見積明細です。赤線の部分で切り取って右側のみ施主に提出します。各項目の金額を比べてみれば分かると思いますが、実行予算そのままを施主に提示している訳ではありません。

さらに工務店は各専門工事会社へ実行予算の金額を支払う事はなく、支払段階に於いてさらなる値引交渉をした末に決定した金額を支払います。

工務店は“諸経費”として利益を確保しておきながら見積りと支払金額との差額まで得ることを慣習として行なってきました。

“家づくりの値段が不透明”と非難されるのは各専門会社への支払金額や材料の仕入れ価格を施主に分からないようにして不当な利益を得ようとしているからです。

このような建設業界の悪しき慣習を是正するべく提唱されたのがコンストラクション・マネージメント(CM)という方法です。

分離発注方式と呼ばれますが、施主がそれぞれの専門工事会社と直接契約を結び工事費を直接支払うことで工事費の透明性を確保する方法です。


■次回は分離発注方式(CM)のメリットとデメリットを考えてみます。

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